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March 01, 2007

団塊のJAZZエッセイ「KIND OF BLUE」その113回ーー「ロージー&フランキー」の巻ー

<このところ、コンサートづいて、ゼンさんは店を留守にすることが多かった。そろそろまた店に腰を落ち着けてストーリーを元に戻そう>

・ ・・今回の話しは1983年の某月某日、六本木のあるジャズクラブであった事実をもとに・・・幻想と妄想と冗談をミックスしたカクテル・ストーリー「Fのブルース」を創造(想像)しました・・・

外は秋風が立ち始めていた。
クラブ「KIND OF BLUE」の中庭にも枯葉が音をたてている。
今日は閑な水曜日、店も半分ほどの席が埋まっている程度だ。
ドラムの大野をリーダーとするハウストリオが最初のステージを終えた。
フロアー係りのヤマちゃんが壁際の席に二人の外国人カップルを案内し、キャンドルに灯をともした。
ゼンさんはピアノの後ろで河田や大野と話していた。
ヤマちゃんがゼンさんに「アレ誰でしたっけ?」と壁際の席を指した。

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ゼンさんは目を疑った、「大野ちゃん、ちょっと凄いよ、ロージーだろうあれは」
大野が「うーん、そうだよねどう見ても、ローズマリー・クルーニーだ・・・でも突然か」「間違いないな」と河田が言った。
「ところであの連れの男性は?」と大野がゼンさんに聞いた。
ゼンさんが何か思い出そうとしている・・「そうだ、フランキーだ、フランキー・オルテガだよ」
「エッ、それ誰ですか」ヨーコちゃんが首をひねる。
「うん、ピアニストだ、知らないかな、サンセット77っていうTV番組があったの」とゼンさんが説明した。
「サンセット77は探偵二人が主人公でね、毎回事件があってそれを解決する話しでね、場所がLAのサンセット通りにある探偵事務所と近くの溜まり場のバークラブ「ディノス」が舞台になっていた、そのディノスのハウスピアノ役があそこにいる、オルテガさ、TVでも弾いているシーンがよくでてきたもんだ」とバンドや店のスタッフに言いながら立ち上がり、ロージーの方に近づいていった。

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ゼンさんは、ロージーとオルテガに来店の挨拶をした。
フランキー・オルテガがここに来た経緯を説明した。
実は、豪華客船クイーン・エリザベス二世でショーを開く為に香港から乗り込んだ、そして、昨日、横浜について5日間横浜と東京に滞在すると言う。船の中では毎晩ディナーショーを開いているという。
ゼンさんは次のステージが始る前に二人をお客さんに紹介した。
みんな驚きの声を上げた。「おっ、ローズマリー・クルーニーが来ているんだって」と。
フランキー・オルテガが立ち上がってピアノに近づいた、そして河田に挨拶をした。
河田がどうぞと、椅子をすすめた。
フランキー・オルテガが弾きだした・・・否、キーを叩くのではない、左手でキーを抑え、右手で弦を直接はじいている。まるでハープの様な音を出している。
曲は「MISTY」だ、32小節のテーマを全部この調子で弾いた、そしてアドリブに入ってやおら、普通にキーを弾き始め、大野と山田がバックをつけた。
テーブルのキャンドルの瞬きとオルテガのピアノの弦をはじく響きが同調した。
オルテガは3コーラスをかなりのスローで弾き切った、そしてロージーを呼んだ。
ロージーが何をやるの?と聞いている、ゼンさんが横から「GIVE ME A SIMPLE LIFE」と囁いた・・ロージーがニヤッと笑って、うなずいた。
ロージーはピアノの傍に立っただけでエレガントだ、なんと言う絵柄だろう、ゼンさんはまさか自分の店でロージーが飛入りで歌うとは考えたことも無かった。
特にロージーの髪の毛のウエーブが何ともいえず美しい。
ロージーとオルテガは快適にスイングした、特にロージーの温かい声が包み込んでくる。

ジャズクラブをやっていると、突然の来訪者がある、そしてジャズミュージシャンはみんな演りたい、だからギャラなんか抜きで飛入りで・・ノレば何曲でも、何時間でも・・そいう場面を何度となく観て聴いてきた。
これがジャズのいいところだ。
次ぎは一体だれがここで歌うことになるのだろう・・・・。

因みに、オルテガは二枚のアルバムを出している。一枚はフランキーではなくフランクとクレジットされている。いずれも同じオルテガだ。
一枚は「SMOKIN’」(+BOB MAGNUSSON+ALEX ACUNA)もう一枚は「SWINGIN’ ABROAD」(+WALTER SAGE +BURT HUNSON)、いずれも小粋なジャジーなピアノトリオで僕の隠れたフェバリット盤だ。
ローズマリー・クルーニーにいたっては何枚出しているのだろうか?
ではロージーのBEST3はなんだろうか?・・・・コメント欄にどうぞ!
<次回に続く>

<話しの横道>
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「サンセット77」にでてきた「クラブ・ディノス」はディーン・マーチンがオーナーで実際にあったクラブだ。TVドラマではクラブの玄関にいつもいるバレーパーキングのクーキーが名物だった。
僕は1981年にLAに出張をした時に訪ねた、その時には「ディノス」は名前を変え、アラブ資本の店になってしまっていた。とても寄る気にはなれず、前でしばし眺めて、ホキの店へジャズを聴きに行った。当時LAのホキ・徳田さんの店では細川綾子さんが歌っていた。

<号外情報>
BASSCLEFさんに続き、「ジャズ批評・3月号」にこの「Fのブルース」が紹介されました。これも皆様のご支援のお陰です、ありがとうございます。
きっと次ぎはDUKEさんか・・・しんじさんか・・ブログのリンク友が掲載されることでしょう。
これからもこれを励みに「Fのブルース」を宜しくお願いいたします。

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Comments

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おっとお、ロージーのベスト3なんか、
やっておられたのですね!
すいません、気が付きませんでした。

(1)「Blue Rose」(Columbia)
(2)「Sings The Music of Cole Porter」
(Concord)
まあ、このワン、ツーは私的には不動ですが、
3枚目が難しいなあ・・・。

これかな、やっぱり・・・。
(3)「Fancy Meeting You Here」(RCA)
ビング・クロスビーとのコラボレーションが
絶妙ですね。

RCA盤といやあ、ネルソン・リドルの首チョンパしてる
ジャケのやつもありますが、内容はともかく、あのジャケは
どうも悪趣味でねぇ。

Posted by: 25-25 | March 13, 2007 at 23:50

DUKEさん
・・・オルテガにはもう1枚あるんですねぇ。

Twinkling Pinkies (Jubilee)

これ知りません、DUKEさん持っているのですか?
オルテガは洒落ていますよね、粋です。
ポール・スミスと並び好きなピアニストです。
ドライマティーニが似合うピアノですね。

でも残念なのが、「ディノス」が無くなったことですね。
最近の米国にはあのような洒落たバーが無くなってしまったような気がするのです。
アメリカよ今一度頑張れといいたいですね、あの輝いていた60年代のアメリカを取り戻せ!と・・。
すいません下戸の私がこのようなことを・・。

Posted by: 4438miles | March 05, 2007 at 15:48

>>bassclefさん

Rosemary Clooney Sings the music of Harold Arlen(concord)
これは私も聴いたことがあります、いいですね。
バド・シャンクとやっている盤があり、現在頼んでいるのですがなかなか入手できません。

ところでベースのワークマンの話ですが、やはり重いと言う表現がいいか悪いかは別として、高い駒でブンブンとそしてフレットにぶつけながらランニングするベースにはそそられますね。
昨日久々にキャノンボール、「ゼム ダディーブルース」を、実際と同じくらいの音量で聴きました。最初は勿論「ワークソング」です。
テーマが終わり、キャノンボールのソロが始まります。
そのバックでベースが来ますね、このコード進行が単純な曲でも連続的に上昇進行で、たまらない瞬間でした。
最初のワンコーラスでもう歴史的ソロですね。
ヨダレ物です。

Posted by: 4438miles | March 05, 2007 at 15:40

milesさん、こんにちわ。
コメントでのKAMIさん・milesさんの「レジー・ワークマン話し」~なんか凄いそのベース音が聞こえてきそうです(笑)ビート感の「軽い・重い」ってなかなか言葉では説明しづらいですが・・・確実にありますよね。どちらがいいとか悪いではないのでしょうが、「yeah! ジャズだぜい!」という気分にさせてくれるのは、やはり「重い」ビート感だと思います。

>ゼンさんが横から「GIVE ME A SIMPLE LIFE」と囁いた・・ロージーがニヤッと笑って、うなずいた~
う~ん・・・その時のロージーさん、さぞやチャーミングだったんでしょうね。
当方、ローズマリー・クルーニーのレコードはほとんど持っておりません(すんませんです:笑)でも1枚、けっこう気に入ってるレコードがあります。
Rosemary Clooney Sings the music of Harold Arlen(concord)です。1983年録音の現代盤です。
ロージーという人には、とても優しい気配がありますね。

Posted by: bassclef | March 04, 2007 at 12:22

4438miles さん、フランキー・オルテガとは驚きました。年寄り好み、基、通好みであります。

オルテガにはもう1枚あるんですねぇ。

Twinkling Pinkies (Jubilee)

サイドは Walter Sage (ds) Carl Tandberg (b)

「ポインシアナ」「ハニーサックル・ローズ」「イエスタデイズ」等収録されております。恐らくご存知ではないと思われますので、後ほどKAMI さんのBBSお借りして画像をアップしますので参考にしてください。

ロージーのBEST3は25-25さんをさしおいては挙げれませんね。25-25さん、どうぞ。
同じような選択になると思われますが・・・「ブルーローズ」が入っていなければ絶交です。(笑)

Posted by: duke | March 02, 2007 at 18:28

私の車のオーディオはCDが6枚入る6連奏という装置です。
1番は娘が聞くCDがいつも入っています。
2番から6番まで5枚が私が車内で聴くCDを入れています。
因みに今は下記の通りです。
2番:ブルー・スェット(カーティス・フラー)
3番:枯葉(サラ・ボーン)
4番:ブルースの真実(オリバー・ネルソン)
5番:スピークロウ(山本剛)
6番:ジョーコッカー
6番はジャズ以外をいつも入れています。このジョー・コッカーの「青い影」は長年の愛用曲です。
オリジナルのプロコロハルムよりジョー・コッカーの方が好きです。
皆さんならこの5枚どのようにアレンジされますか?

Posted by: 4438miles | March 02, 2007 at 15:56

KAMIさん
レジー・ワークマンの飛び入りは私も体験しました。
六本木のアルフィーで、その日は、大隈寿男トリオで、ピアノは青木弘武君でベースは山口明君でした。
ワークマンが来たので、山口君が変わりました。
重い、長い、後ろ一杯のベースでした。
2,3曲やって、休み時間になったとき、ピアノの青木君やドラムの大隈氏が私のところへ来て、「どうだった、レガートあっていたよね、とか、リズムが裏になっていなかった?」とか聞くのです。
一緒にやっていて、あまりにビートの後ろ一杯で引っ張るし重いので、何かウラでやっているような感覚になるそうです。
でも聴いていると、凄い重量級なベースであると感じるのは確かです・・・体はそんなに大きくはないのに。
あのスイング感は何か途轍もない重い大きな分銅をグワーァーンと揺らすスイング感ですね。
コルトレーンはあのリズムの上だからこそあのソロができたのでしょうね。

Posted by: 4438miles | March 02, 2007 at 15:49

4438miles様、こんばんは。
本当にジャズメンって飛び入りでセッションに加わることが多いですね。
私もジャズクラブ通いをしていた時期に何度もそういう場面に遭遇しました。
最初は客として店に入る。そのうちに誰かが気がつく。そして自然にセッションに加わる。
こんなパターンが多かったと思います。
印象に残っているのは、レジー・ワークマンの飛び入りでした。太く重たい音でスイングする。おもわず涎が出そうになりました。(笑)
ギャラなんか彼らには関係ないのでしょう。
本当に楽しんで演奏しているように感じました。
そういうアフター・アワーズの方が印象に残っているのです。

Posted by: KAMI | March 01, 2007 at 19:41

フランキー・オルテガご存知ですか?
ところで・・・ロージーのBEST3ってなんですか?

Posted by: 4438miles | March 01, 2007 at 14:51

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