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May 07, 2007

団塊のJAZZエッセイ「KIND OF BLUE」その122回「いよいよTV番組のはじまり」の巻

 <架空のジャズクラブから空想のジャズライブTV番組を企画!いよいよ始まります>

悩みつづけたキャスティング・・やっと決まった。
ピーター・バラカンと藤尚子・・・この女性ヴォーカリストを知っている方はかなりの通です。
国立音大のクラシック畑からジャズに転向した人です。
ジャズヴォーカルでは今ひとつブレイクはしなかったが、かもし出す雰囲気は静かで品がある。
これなら大人のジャズ番組になるだろう。

そして気になる今夜のゲストは・・・・
いや、早まらずに番組を追おう。

前回の台本通り、番組は河田トリオの「Cジャム・ブルース」で始った。
カメラはお店の内部の雰囲気とお客さんを映し出し、トリオの三人を順に追ってゆく。
テーマの「Cジャム・ブルース」が終わると、間を開けずに、トリオで「OUR LOVE HERE TO STAY」がミディアム・ファーストで始った。
カメラは司会進行役の二人のテーブル、テーブルのキャンドルとトリオの演奏を淡々と映す、余分なセリフや解説は不要だ。
トリオは快適にスイングしている、臨場感がたっぷりだ。
TVを観ている視聴者もなんだかお店の中にいる気持ちになる。

演奏が終盤に差し掛かりゼンさんが司会役のテーブルにつく。
演奏が終わり、クラブ内は拍手・・・
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ここで初めて司会が口をひらく、「さあ、ゼンさん、今夜のゲストは?」
ゼンさんが答える「今日はこの番組の最初にふさわしい、ジャズらしい、一音聴いただけでジャズという音の渋いテナーを紹介しましょう、ハンク・モブレイです」
ピーター・バラカンが「では、早速、最初の曲を・・REMEMBER」

モブレイがミディアム・スローの伸び伸びとしたテンポでブルースフレーズを吹く。
いつもの、やさしい、哀愁をおびた音色で別に力むことなく、リラックスしたブルースだ。
聴く者の方からも力が抜けて気分が楽になってゆくのがわかる。
モブレイは3コーラスのソロをとり河田に廻した。
河田は、その雰囲気をそのままに、右手のシングルトーンによるアドリブをブルージーに展開し、あえて左手は付点八分の遅れでフィルインしアクセントを軽くつけるだけだ。
ダルなテンポだけど、緩まず、フレーズはシッカリと組み立ったている。
一本のテナーで雰囲気が一気に変わった。

お客はモブレイの独特の音質とフレーズの末尾のスラー気味の高音域に哀愁を感じ、時々はいる、超低音のアクセントが「ボッ」とはいる・・・モブレイらしさに酔いはじめている。
この十二小節の典型的なブルースを堪能して、モブレイがテーブルに来た。

1930年生れのシャイな男はシャガレ声で挨拶をした。
テナーは饒舌だが話は寡黙な感じだ、バラカンが質問をする「いろいろな人のセッションに参加していますね」
「うん、最初はR&Bのバンドにいたんだけど、マックス・ローチにさそわれてNYに来たんだ。それからいろんな人とやったね」
「ジャズメッセンジャーズともやりましたね?」
「うん、あの頃は良かったね、毎晩が楽しかったね、ブレイキーのバイタリティーに皆が乗ってね」
「ところでマイルスとはどうでした?」
「マイルスがやろうと呼んでくれたけど、彼はやはりトレーンを求めていたのだろう、またジミー・ヒースともやりたかったらしいけど、ジミーがヤクで捕まって保釈中で旅に出られなかった、だから僕に誘いがあったというところだな。」
「サンフランシスコのブラック・ホークでも何週間かマイルスとやったけど、テーマのアンサンブルを彼が指示してそれさえやれば、後は自由だった、ケリーやチェンバース、ジミーがバックだったから気の知れた中で楽しくスイングしたよ。でもそれがマイルスには通じなかったらしい。マイルスが求めていたものはもっと違う方向だったんだ。」
「そうだったのですか、当時の貴重な話をありがとう、では次の曲は?」
「IF I SHOULD LOSE YOU」

モブレイはテナーを抱えてピアノの脇に立った。
カウントを出した、少し早めの、ミディアム・ファーストのテンポだ。
相変わらず、中音域の音色が染み込んでくる。
こいうスイング感とグルーブ感こそジャズ本来の持ち味だろう。
山田の太いベースと大野のレガートのアフタービートがピタットあっている。
この気持ち良いリズムの上でモブレイの音の伸びがいい。
続く、河田のピアノソロはシングルトーンからブロックコードへと煌く音でファンキーな繰り返し三連符でころがる様にスイングしている。
大野のドラミングも、コーラスの末尾からスネアロールが入り頭でバーンときまる。
ピアノのソロの次にドラムとテナーの4バース・チェインジで徐々に盛り上がってゆく。
再度テーマに戻り、ゆったりとした大きなノリで最後が締めくくられた。

店内の拍手が凄い、ハウストリオがエンディング・テーマ「THANKS FOR THE MEMORY」を始める。
司会の藤さんが「ではまた次回をお楽しみに・・次回のゲストは男性ヴォーカルの登場です」と締める。
ピーターと藤さんが、二人で店を出て、車に乗る、車が中庭からユックリと出て行く、画面がテーマにのってフェイドアウトする・・・。

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Comments

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Posted by: http://hamumu.com/forum/member.php?u=20089 | November 13, 2014 at 06:11

Bassclefさん
ご賛同いただきましてありがとうございます。
モブレイを普段は拙宅の陳腐なオーディオで聴いて満足していますが、以前凄い装置でオリジナル盤をかけて聴かせてもらったことがあります。
そうしたら、普段聴こえない音が・・・マウスピースのところからでる「ズゥー」という音でサブトーンとは違う音でした。
これがまたファンキーさを増長させる効果でたまらなさを覚えたものです。
私はオーディオは実物以上の音は要らないと言う主義ですが、この再現音には驚いたものです。

Posted by: 4438miles | May 10, 2007 at 11:08

4438milesさん、こんにちわ。
モブレイを最初に「いいなあ・・・」と感じたのが、実はこのSoul Stationです。仕事で東京に行った時に、渋谷の「音楽館」(ジャズ喫茶)に寄った時、このレコードがかかって・・・その1曲目、rememberで、グッときました(笑)モブレイって・・・その唄い口が全く力まず、フレーズが(モブレイにとって)自然に展開していく感じが、じわじわと効いてきますよね。いいテナーです。あたりまえだあ!(笑)

Posted by: bassclef | May 10, 2007 at 08:50

DUKEさん
いやあ、一本取られました!
TV中継最初からアンコールですか・・・やはりそうですね、TVでもアンコールやりましょう。
「リカード・ボサノバ」!
快適なサンバのリズムにのって、モブレイ快調なソロを展開しましょう!
お店も全員が中継なんて何処吹く風で、サンバにのって笑顔、笑顔・・・・・。
「さあ、サンバだ、縦揺れでゆこう!」(直下型地震ではありません)

Posted by: 4438miles | May 09, 2007 at 14:52

4438miles さん、いよいよ始まりましたね。

ピーター・バラカン氏のNHKFMの番組は偶に聴きます。いつだったかサイドワインダーからフリーまで熟すビリー・ヒギンズの特集を組んでおりました。ロックばかりでなくジャズにも造詣が深いので適任でしょう。残念ながら藤尚子さんは知りません。是非写真を。女性の場合、歌よりもルックスから入る私です。(笑)

最初にモブレイが登場でいきなり視聴率アップですね。ところでモブレイはアンコールなしで帰ったのでしょうか。「リカード・ボサノバ」聴きたかったなぁ。

ハンク戻れい

Posted by: duke | May 08, 2007 at 18:14

KAMIさん
モブレイって、小さなクラブでゆっくり聴きたい人ですよね。
目の前であの音が聴けたら最高でしょう!
次回は誰がいいか?
あの世から出演させる、霊媒師のゼンさんみたいになってきました。(笑)

Posted by: 4438miles | May 08, 2007 at 12:22

4438miles様、こんばんは。
ワーイ!最初のゲストはモブレイですか。そしてリメンバーからスタート。ご機嫌ですね。
良い味を出している、ウイントン河田のピアノが聴こえてくるようです。
大好きなモブレイが出演しただけで嬉しくなりました。

Posted by: KAMI | May 07, 2007 at 21:17

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