« October 2007 | Main | December 2007 »

November 26, 2007

団塊のJAZZエッセイ「KIND OF BLUE」その141回ーー「ランキングの話」の巻ー

今回はランキングの話であるが・・・・実は「おもいでの夏」ルイス・ヴァン・ダイクを買ってしまった!

41d6impza8l_ss500_


THE SUMMER KNOWS・・「おもいでの夏」というルグランの名曲はそのメロが切なくも、愛おしく、哀愁をさそう。
今までの人生で60回の夏を経験しているが、やはり若い時の夏は出来事が印象深くのこっている。
16歳くらいからの10年間の夏は特にそうである。
そんな特別の思い出を、タイムマシーンの如く、一挙にその時空まで飛んで脳裏に浮かばせてくれるのが音楽である。(この話は再三ここにも書いたが・・)

THE SUMMER KNOWSはそんな曲である。
従ってこの曲に対する思いいれもある、簡単に、粗末に演奏をして欲しくない。
この名曲を演奏題材にするジャズミュージシャンは多かった、サラ・ボーンとルグラン、フィル・ウッズ、ビル・エバンス、ヘレンメリル等など、みな優れた歌であり、演奏だった。何度も聴いている。

特に、アート・ファーマーのリーダー作「THE Summer Knows」は秀逸だ。
フリューゲルホーンの最初の一音から、その哀愁の密度が群を抜いている。
シダー・ヲルトンのピアノもいい、私はこの曲を聴くなら、先ずはアート・ファーマーと思い込んでいる。

この曲を他のプレイヤーがやったと聴くと先ずは聴いてみる。
なかなかファーマーを越える演奏は無い。

今般、SJ誌がルイス・ヴァン・ダイクのアルバムを大見出しで推薦した。
この曲以外にもルグランの曲を取上げている・・・選曲は良いではないか、評も良いではないか・・。
K氏などは5つ星で絶賛している。
即座に買いに走った、そしてこの三連休にユックリと聴いてみた・・・・・が・・。

しかしである、ルイスに文句をいうつもりはない、ルイス流のクラシカルな展開、ところどころに、フーガや対位法などを用いてルイス風味満点である。
表現方法は如何なる方法でも良いが、曲想を解釈し、アドリブ(即興)に入ってからは物語を語って欲しかった。
即興部分・・いわばジャズの真髄の部分ではルイスの「おもいでの夏」を語って欲しいのである。
音楽的に見事な展開をしているか否かは別にかまわない、いかに聴き手の心に染入ってきてくれるか・・・である。
それが無い、聴き終わって消化不良と不満が残った・・・でも大評論家諸氏が二人も推薦している盤である、何かあるはずであると、再度聴きなおした・・・が同じであった。
沁みてこない、語ってくれないのである。
きっとルイス・ヴァン・ダイクの夏にはそういう思い出が無かったのであろうか・・・・。

何度も言ってきたが、「ジャズとは人生という譜面を演奏し語ること」だ、音楽的な構成が近代的でセンスが良くても、ジャズにはならない。
きっとBGMというジャンルなら良い点をもらえるにちがいない。

最近、レコードの星評価に疑問を持っている。
どうも、広告主の新譜には悪い評価をつけられないのではないかと、また、来日を絡めた新譜だと観客の動員に影響がでるので、それを気にしての遠慮評価をしているのではと思うふしを感じるのは私だけだろうか。

もう星取表は不要ではないか・・・新譜の情報、再発の情報だけを掲載してもらえれば、後は自己責任で購入すればいい。
その結果、聴き手が皆で評価や感想を述べ合えば良いではないかと思っている。
初心者の手助けというなら、その感想や論争を聞いて判断してもらえば良いのではと思う。

情報が過多になると、情報にランキングをつけたがる、これが情報発信手と受け手の需要と供給問題だ。
このランキング評価に人為的な操作が加わると、間違った方向に誘導してしまう危険が出てくる。
情報の発信はできるだけ、生のままで、そのままの姿で発信して欲しいものだ。
その昔、SJ誌でノースターと5つ星の論争があった。
レコード会社がクライアントであることなど関係ない!
コマーシャリズムこそジャズが拒絶するものとの心意気があった。

星は不要・・・むしろコメントを大事に書いて欲しい、そこにプロとしての評価者の感性を読みたい。

時まさに、ミシェランがどうのこうのと・・・私の娘も購入したので、読ませてもらった。
星3個から1個まで、いろいろと食べにいったレストランが出ていた。
私の中学高校の同級生がオーナーで板場をあずかっている精進料理屋が星2個であった。
すこし嬉しかったが、本人はきっと迷惑がっているに違いない、だから祝電もうたない。
せいぜい電話で「大変なことになったな」というくらいだろうか。
因みにここのコメント欄には誤記を発見した。
ミシェランのコメントって・・・とてもウスッペライ、パンフレットの切り抜きのようだった。
素人の私の方がまだ増しに書ける(表現できる)店があると感じたが・・・。

先ほど、近場に昼食に出た、その通り路に星2個のふぐ屋さんがあった。
平日の昼は通常は静かに玄関を閉じている・・・が今日は見たことが無い看板が出ていた。
「本日は昼、夜とも予約で一日中満席です」という看板だ。

世の中、ランキング流行り、もういい加減に、ランキング付けは止めて欲しいものである。

是非、質の良い、評価文(コメント)をプロとして書いて、そして読ませてください。

音楽も食べ物も・・・・。

| | Comments (22) | TrackBack (0)

November 09, 2007

団塊のJAZZエッセイ「KIND OF BLUE」その140回ーー「着物でジャズ」の巻ー

去る、2007年11月3日18時より、横浜のジャズクラブ「KAMOME」にて、「着物でジャズ」なる企画が行われた。実はその企画の片棒を私が担いでいることもあり、既にMIXIへは掲載しているものの、コチラにも、ブログ風にアレンジして掲載をしました。

着物でジャズ@KAMOME In Yokohama    

去る11月3日、MIXI内のジャズ好きと着物を着てみたい、というグループが出会い、冗談からコマで実現した「着物でジャズ」が横浜のジャズクラブ、「KAMOME」で開催された。

最初は、ある女性が着物を着てよくジャズを聴きにゆくと、一方でやはりMIXIメンバーが、山本剛氏のピアノや古野光昭氏のベースをよく聴きにゆく、私が大隅寿男の後援会をしているなど、要はジャズ好きのMIXI仲間が、「じゃあ、この三人の編成でピアノトリオを聴きたいね」となった。
とは言え、売れっ子の三人が一緒でやってそうで実は中々一緒ではない、そこで大分先になるけど、と言うことで、私が大隅氏にこのメンバーをどこかで組んでもらい、そこへ着物で集まろうと言う段取りになった。

企画が整ってからは、今度は参加者集めとなったが、MIXI内で着物を着たい人、着物でジャズを聴きたい人集まれ!・・と掛け声を。
主催、運営者の努力が実り無事当日を迎えることができた。
わたしは単に還暦を迎えた長老というだけで会の顧問とやらを仰せつかり、あまり準備に協力が出来なかった。
当日は、最近あまり横浜に行ってないので道に迷わないようにと、ドラムの大隅氏と第三京浜の入り口で待ち合わせ、車二台で迷わずに到着することができた。

当日一番大変だったのは着付けを指導された方で、着物は着たいが着方が・・・という方々に早くから着付けをしてあげるという、重労働を・・。
男性会員なども普段着から着流しへと見事な早変わりをし、運営責任者のお一人はどこぞの若旦那という感じで大島を着こなし、役員も雰囲気満点。
わたしは、当日は昼から中学、高校の同窓会がありそこから駆けつけるというバタバタで、着物は無理。
洋服で失礼をした。
しかし、こう写真で見ると、男の着物姿というのは・・・ジャズより任侠物がやはり似合いそうだ。(笑)

ジャズクラブが着物の女性で満員になるという、前代未聞の状況で「スーパートリオ」の演奏が始まった。

日本を代表し1974年のモンタレイ・ジャズフェスにソロピアノで参加した新潟県出身の1948年生まれ山本剛。
今や日本のベースの第一人者、特にアルコ奏法では耽美的な哀愁を表現する、三重県伊勢市出身の1947年生まれの古野光昭氏。
そして最年長、1944年生まれで福井県芦原温泉出身、南里文夫賞を受賞し、今、乗りにのっているドラム大隅寿男。
合計年齢182歳のこのスーパースターが3人一緒に演奏をする・・・きっと「着物でジャズ」以外の方にもヨダレの出る企画だっただろう。

演奏曲目は、第一部、ブルース、ウエーブ、ベッサメムーチョ+イン・ア・センチメンタルムード、枯葉、ブルースと・・・第二部で、スイングしなけりゃ意味がない、キャラバン、ミスティ、ソング・フォー・マイ・ファーザー、ムーン&サンド(山本剛歌)、ダイナ(山本剛歌)、ウヲーター・メロン・マン、アンコールで何故か山本剛氏がホワイトクリスマスを弾きだした。

1時間二回のステージがあっと言う間に・・・まだまだ聴きたい余韻を残して「着物でジャズ」の会は成功裏に終了。
アフターアワーズも出演者と一緒に写真を撮ったり、初めて生のジャズを聴いて感動したり、出演者が夫々ファンを増やしたりと・・・熱気が残り、夜はふけていった。
ここに「和」と「ジャズ」の融合が始まった。

因みに、日本を代表する「着物でジャズ」の方は、コルトレーン研究の第一人者 藤岡靖洋氏とジャズ批評社を主宰する松坂妃呂子さんではないかと思う。次回はこのお二人も御誘いしよう。
このサイト、「Fのブルース」の「KIND OF BLUE」のご常連方はいかがかな・・・?

写真は出演者と着物姿の方々、運営責任者達、唯一洋服が私、・・・ジャズクラブが着物で埋るというのは凄い光景でした。

B6996840_2423648953_2
6996840_798649953
6996840_3433712475
6996840_3511475643
6996840_118260838
6996840_3707821938

<さあ、このKIND OF BLUEでも「着物でジャズ」をやりますか。

| | Comments (24) | TrackBack (0)

« October 2007 | Main | December 2007 »