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January 21, 2008

団塊のJAZZエッセイ「KIND OF BLUE」その148「閑話休題・オスカー・ピーターソンのミスタッチ」の巻ー

あのジャズピアノの最高峰に耀くピーターソンにもミスタッチが・・・あった。
あの名盤「ロンドン ハウス」の中にある。
1961年から62年にシカゴのジャズクラブ、ロンドンハウスで実況録音された歴史的な名盤である。
ピーターソンもレイ・ブラウンもエド・シグペンも絶妙のコンビネーションでその演奏に一点の曇りも無い。
私がこのLPを最初に聴いたのは1963年で、「ザ トリオ」と「ロンドン ハウス」が二枚組のボックス入りで発売されたときである。
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「トリクロティズム」や「オン ザ グリーンドロフィン ストリート」などを快適に聴き進んでいった。
曲が「シカゴ」にかかった。
この曲は、最初、ピーターソン独特のイントロのリフから入る、次いでご当地ソングとして有名なメロディがミディアムテンポにのって快適にスイングを始める。
ピーターソンのソロは益々ノリ、完全にピーターソンのバカテク・スイングの境地に入ってゆく。
後半、シグペンのレガートがアフロ的なリズムに切り替える、ブレイクする、ピーターソンが1音を最高速且つピアニッシモで連打する、「さあ、始まるぞ、倍テンポになるかな・・ならないかな・・」
と思わせ、再度高速ソロに入る、そして2小節のブレイク、溜め込んでレイとシグペンが行くぞと構えるその時、16分音符の連続フレーズの中の一音が抜ける・・・・聴いていて一瞬「ウッ」と息が詰まる瞬間である。
この速さで16分音符は80分の一秒くらの速さであろう。
しかし、連続的経過音なので一瞬抜けたと私は感じた。
曲はそのまま、何事も無かったようにドンドンと進みエンディングに入る。

私は、初めてこの盤を聴いていらい、ここはきっとピーターソンは一瞬指がひっかかったに違いないと思った。彼の頭の中ではいつもアドリブのメロを歌っている、彼はその時も歌っていたに違いない、しかし、頭の中でのインプロビゼーションのメロディラインからたった一音が抜けた。

今回、この文章を書くにあたって、再度聴き直した、何度も聴いた、やはり、一音抜けていると・・・。
完璧を期す名人だけに、これは抜けたに違いないと思うのである。
このLPを聴いたのは100回ではきかない、しかし、聴く度にこの個所で私はピーターソンは実は連続的に弾きたかったに違いないと・・・人のアラを探すようだし、別にこのミスがあったからと言ってこの演奏の値打ちが下がるわけではない。
いずれピーターソンにこのことを聞いてみたいと思っていたが、今はもう聞けない。

次ぎは、「ピーターソンの左手とレイ・ブラウンの音選びは、考え抜かれた計画的な音だ」というお話でもしようか。

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Comments

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Posted by: http://www.beaba.info/modules.php?name=Your_Accountop=userinfousername=JSuffolk | November 11, 2014 at 16:49

4438miles さん、ピーターソンのミスタッチの分析、興味深く拝見しました。このアルバム、この曲は 4438miles さん同様、100回以上聴いているのですが、全く気付きませんでした。おっしゃるようにミスがあったからといって価値が下がるわけもなく、評価は変らないものです。ライブならでのはハプニングは、名人にもあったのかと思うと、尚更に親近感が増しますね。

ガーランドのプレリュード・ライブ完全版には、リル・ダーリンの出だしで間違えて弾き直す部分が収録されております。聴きたくないものではありますが、聴いて良かったという感もあります。天才も秀才もミスがあってこそ感動を呼ぶプレイヤーであり、ジャズには最も求められる完璧ではない人間性でしょうね。と、言いつつ寝る時間にエリントンを聴きながら、片手にウヰスキーグラス・・・完璧ではない人がここにもいるのかと。(笑)

Posted by: duke | January 22, 2008 at 23:58

KAMIさん

自分がピーターソンになった気持ちで弾いているつもりですから・・・ピーターソンに聞いたら、そんな弾き方はしないといわれるかもしれませんね。(笑)

Posted by: 4438miles(SHIN) | January 22, 2008 at 17:30

4438miles様、こんばんは。
duke様のブログで仰っていた、オスカーのミス・・ここだったのですか。
あのあと聴いてみましたが、私にはわかりませんでした。
でもミスがあったとしても、あのテンションの高い演奏の価値は損なわれないですね。

Posted by: KAMI | January 21, 2008 at 20:39

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